中国の膜鳴楽器の一種。遅くとも明・清時代に楽器として用いられるようになったと思われる。役所の中堂で人々の集散の合図に用いられたことから〈堂〉の字がつけられたものと考えられる。木製の胴の両面に牛革を張り,木架上に設置して,2本の木槌で上から打奏する。大小の別があり,形が大きく音高が低いものを大堂鼓,南堂鼓,大鼓とも称し,形が小さく音高が高いものを京堂鼓,戦鼓,小鼓とも言う。大鼓は,鼓面の面積が大きく,音量や音色の変化も豊富で,主に十番鼓(10種の楽器を使っての合奏),吹打等の鑼鼓(らこ)(鑼)を中心とする各地の民間器楽合奏で用いられる。小鼓は,鼓面が小さく,音量・音色の変化も乏しいもので,主に地方戯曲の伴奏で使用される。
執筆者:増山 賢治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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