声作る(読み)コワヅクル

デジタル大辞泉 「声作る」の意味・読み・例文・類語

こわ‐づく・る【声作る】

[動ラ四]
ことさら声を繕って言う。作り声をする。
うち―・りて申し出で給ふことぞかし、いとあやし」〈栄花・月の宴〉
声やせき合図をする。せきばらいをする。
格子もとによりて、―・れば、少将起き給ふに」〈落窪・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「声作る」の意味・読み・例文・類語

こわ‐づく・る【声作】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. ふつうとは違った改まった声を出す。つくり声で話す。
    1. [初出の実例]「知りがほならじとて、御送りにともこはづくらず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)
  3. 自分の存在相手に知らせるためにせきばらいをする。しわぶきをする。
    1. [初出の実例]「立ちよりてこはづくり給へば、このうつほの人、琴をひきやみて、あやしがりて見給へば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  4. 悪霊などを寄せつけないために、特別な声を出す。
    1. [初出の実例]「随身も弦打(つるうち)して、たえずこわづくれと仰せよ」(出典源氏物語(1001‐14頃)夕顔)

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