変動所得(読み)へんどうしょとく(英語表記)transitory income

精選版 日本国語大辞典 「変動所得」の意味・読み・例文・類語

へんどう‐しょとく【変動所得】

〘名〙 発生および金額が年によって変わる所得。たとえば、漁獲から生ずる所得、原稿作曲報酬から生ずる所得など。〔所得税法(1947)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「変動所得」の意味・わかりやすい解説

変動所得
へんどうしょとく
transitory income

偶然的な要因により変動する所得。恒常所得反対概念。経済学的には消費関数論争過程で M.フリードマンによって恒常所得仮説のなかで分析された。この仮説によると恒常消費は恒常所得に比例するが,変動所得と変動消費の間には相関関係は存在しない。日本の税法上の概念としては,漁獲もしくは海苔採取から生じる所得,原稿料,作曲料,著作権使用料などをいい,これらの変動所得はその他臨時所得とともに,その金額が総所得の一定割合以上に達した場合は,課税上の優遇措置が講じられる。

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世界大百科事典(旧版)内の変動所得の言及

【平均課税】より

…変動所得および臨時所得について所得税や住民税の負担を軽減するための特別の税額の計算方法(所得税法90条,地方税法36条,314条の4)。現在の累進税率のもとでは,たとえば,ある年の課税所得金額350万円,翌年の課税所得金額50万円の人と,ある年の課税所得金額200万円,翌年の課税所得金額200万円の人とでは,2年間の課税所得金額の合計が同じ400万円でも,所得税や住民税の負担に相当のひらきがでてくる。…

※「変動所得」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」