多坐弥志理都比古神社(読み)おおにいますみしりつひこじんじや

日本歴史地名大系 「多坐弥志理都比古神社」の解説

多坐弥志理都比古神社
おおにいますみしりつひこじんじや

飛鳥川東岸、奈良県田原本町おお鎮座祭神は神武天皇・神八井耳かむやいみみ命・神渟名川耳かむぬなかわみみ命・ひめ御神。俗におお神社という。旧郷社。「延喜式」神名帳十市とおいち郡の「多坐弥志理都比古神社二座並名神大、月次相嘗新嘗」に比定され、同社は天平二年(七三〇)の大倭国正税帳(正倉院文書)によると、太神戸の租稲一万六九〇束九把のうち五八束が祭神・神嘗酒料として充てられていた。「新抄格勅符抄」によれば大和で一〇戸、播磨で三五戸、遠江で一五戸の神戸を有した。「延喜式」によると大社・太社・意富社とも書き、相嘗祭には絹二疋、調布三端四尺などのほか神税により酒稲五〇束が充てられ(四時祭)、二座ともに祈雨神祭・名神祭にあずかり(臨時祭)、新羅客入朝の際、神酒醸酒料稲として三〇束が充てられた(玄蕃寮)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の多坐弥志理都比古神社の言及

【多氏】より

…《古事記》《日本書紀》によれば,神武天皇皇子神八井耳命(かむやいみみのみこと)を祖とする。大和国十市郡飫富郷(現,奈良県磯城郡田原本町多)に多氏一族のまつる多神社(多坐弥志理都比古神社)があり,この地を本貫としていたと考えられる。多神社は式内社で,すでに奈良時代中期には多数の神戸(かんべ)を有しており,有力な神社であった。…

※「多坐弥志理都比古神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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