多羅菩薩(読み)タラボサツ

精選版 日本国語大辞典 「多羅菩薩」の意味・読み・例文・類語

たら‐ぼさつ【多羅菩薩】

  1. ( 多羅は[梵語] Tārā の音訳眼睛救度の意 ) 観音の一化身で、女身。観音の目より生じたとも、目より放つ光より生じたともいう。合掌した手に青蓮華をもつ。日本では多羅尊観音と称し、三十三観音一つとして崇拝される。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多羅菩薩」の意味・わかりやすい解説

多羅菩薩
たらぼさつ
Tārā

多羅 (尊) 観音ともいい,三十三観音の一つ。観世音菩薩の涙から生じたとされる。ターラー Tārāはもとはインド神話女神で,ブリハスパティ (→ブラフマナスパティ ) の妻であったが,仏教守護神として取入れられ,密教特にチベットネパールモンゴルなどで広く信仰された。インドではパーラ朝 (8~12世紀) に多数の彫像が造られた。図像は多様であるが,胎蔵界曼荼羅では蓮華部の部母とされる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android