夜涼(読み)やりょう

精選版 日本国語大辞典 「夜涼」の意味・読み・例文・類語

や‐りょう‥リャウ【夜涼】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 夜の涼しい気。夜間涼気。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「松緑月明勝趣深、夜涼生処足襟」(出典:殿上詩合(1056)松月夜涼生〈源隆俊〉)
    2. [その他の文献]〔韋荘‐夏夜詩〕
  3. 夜、暑気を避けて涼むこと。
    1. [初出の実例]「角々のカッフェエには毎夜の如く、夜涼(ヤリャウ)の人が大勢明い灯の下で雑談しながら往来を眺めて居た」(出典:ふらんす物語(1909)〈永井荷風晩餐)

よ‐すずみ【夜涼】

  1. 〘 名詞 〙 夜のすずみ。夜間の納涼。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「夜涼やむかひの見世は月がさす〈里圃〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)夏)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「夜涼」の読み・字形・画数・意味

【夜涼】やりよう(りやう)

夜のすずしさ。宋・陸游新秋〕詩 縱酒(しやうしゆ)已に年少の無し 讀書仍(な)ほ(そむ)く、夜涼の時

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