よる【夜】
〘名〙
※
万葉(8C後)五・八〇七「現
(うつつ)には逢ふよしも無しぬばたまの用流
(ヨル)の夢にを継ぎて
見えこそ」
※
源氏(1001‐14頃)
紅葉賀「君のおはする程はまぎらはし
給を、よるなどは時々こそとまりたまへ」
② 暗い、
暗黒などの
意をこめて、比喩的に用いる。「夜の帝王」
[語誌](1)「よ」が複合語をつくるのに対して、「よる」は複合語を作らない。(並立的な「よるひる」は
例外)
(2)
上代、夜は「よひ」「よなか」「あかとき」と三分された。当時の日付変更時点は
丑の刻(午前二時ころ)と
寅の刻(午前四時ころ)の間であったが、「よなか」と「あかとき」の
境はこの
時刻変更点と一致していると考えられる。
(3)元来、「よる」は「ひる」に対して暗い時間帯全体をさすが、「よ」はその
特定の
一部分だけを取り出していう。従って、古くは連体修飾語が付くのは「よ」であり、「よる」には付かなかったとする考えが出されている。
よ【夜】
〘名〙 日没から日の出までの間。よる。よさり。
※古事記(712)上・歌謡「青山に 日が隠らば ぬばたまの 用(ヨ)は出でなむ」
※
読本・椿説弓張月(1807‐11)前「頃しも九月上旬の事にして、この夜
(ヨ)風雨烈しかりければ」
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夜
よる
night
昼の反対。日没から日の出までをいう。日没後しばらくは薄明るく、日の出直前も薄明るく、夜の始めと終わりには、多少の明るさがある。夜は冬が長く、夏が短い。季語で夜長(よなが)が秋の季語となっているのは、夜間時間が最長となる冬に向かうころの季節感をとらえたものである。
[平塚和夫]
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夜【よる】
日の入りから日の出までの期間。地球の自転軸が公転面に直角でなく23°27′傾いているため,その長さは緯度,季節によって異なる。また日の出・日の入りの定め方により実際上の夜の長さは理論上のそれより短い。→昼
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夜
1961年製作のイタリア・フランス合作映画。原題《La Notte》。監督:ミケランジェロ・アントニオーニ、出演:ジャンヌ・モロー、マルチェロ・マストロヤンニほか。第11回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞。
夜
赤川次郎の長編パニック小説。大地震により孤立した新興住宅街を舞台とするサバイバルホラー。1983年刊行。
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よる【夜】
太陽が水平線下に沈んだ時(日の入り)から,翌朝昇る時(日の出)までの時間を夜という。日の入り・日の出の時刻を決めるのに,太陽は約16′の視半径をもつので,太陽の中心が水平線を通る時刻と太陽の上縁が水平線を通る時刻では異なる。また,太陽が水平線近くにあるときは大気の屈折によって約34′浮き上がって見える。そのため,天文学では太陽の地心高度が-54.2′に達する時刻を日の入り・日の出の時刻と定めている。
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