大学発ベンチャービジネス(読み)だいがくはつべんちゃーびじねす

知恵蔵 の解説

大学発ベンチャービジネス

2001年、政府は、04年度までの3年間で大学発ベンチャーを1000社創出する構想推進した。産学連携を強化することで、最先端科学技術創造立国を目指す構想で、その環境整備のため1998年に大学等技術移転促進法(いわゆるTLO法)が制定された。同法は、大学等がもつ技術や研究成果を民間企業に移転することを目的とするもので、各大学は同法に基づき技術移転機関(TLO)を設置し、その推進に力を入れている。こうしたインフラ整備を背景に、大学発ベンチャーの設立は着実に拡大し、2004年度には目標どおり1000社を突破した。この中には株式上場を果たした企業もある。大学等の施設を活用でき、設備投資の負担が軽減できることが大きいといえる。一方で、これまでに倒産・活動停止した企業もある。難解な事業内容を投資家に分かりやすく説明し、資金調達をどうスムーズに行うかといった課題や、仮に倒産した場合、大学内での評価の低下が避けられない、などといった問題もある。

(竹内文則 富士常葉大学教授 / 森岡英樹 金融ジャーナリスト パラゲイト・コンサルタンツシニア・リサーチ・アソシエイツ / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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