設備投資(読み)セツビトウシ(英語表記)plant and equipment investment

デジタル大辞泉 「設備投資」の意味・読み・例文・類語

せつび‐とうし【設備投資】

企業が、建物や機械など生産設備の新増設のために行う投資。

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共同通信ニュース用語解説 「設備投資」の解説

設備投資

企業が事業に用いる工場や機械、店舗ソフトウエアなどに投じる資金のこと。国内総生産(GDP)の重要な要素で、個人消費とともに経済に大きく影響する。景気について先行きの見通しが明るければ増え、不透明になると減る傾向がある。積極的な投資により、生産性向上が期待される。

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精選版 日本国語大辞典 「設備投資」の意味・読み・例文・類語

せつび‐とうし【設備投資】

  1. 〘 名詞 〙 建物、機械、事務所、店舗のような固定資本設備のための投資。→在庫投資。〔現代日本技術史概説(1956)〕
    1. [初出の実例]「そういう設備投資は利潤に直接結びつかないからです」(出典:白く塗りたる墓(1970)〈高橋和巳〉三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「設備投資」の意味・わかりやすい解説

設備投資
せつびとうし
plant and equipment investment

企業は、生産活動を行うために固定資本と流動資本とを保有している。このうちの固定資本設備である工場・機械などに新たに追加された増加分を設備投資という。流動資本については在庫投資という。設備投資には、今期の生産により減耗した既存の固定資本設備の減価償却分を含んだ粗設備投資と、この減価償却分を控除した純設備投資の両概念がある。純設備投資がプラスの場合には固定資本設備が増加し、生産能力拡張がもたらされ、マイナスの場合には生産能力の縮小が生じる。このように設備投資は経済変動に大きな影響を及ぼす。設備投資の変動による景気循環を設備投資循環という。また、設備投資には、生産能力を拡張させる生産力効果とともに、機械や建設財の購入や賃金の支払いなどにより所得を派生させ需要をつくりだす効果がある。資本設備に過不足を生じさせることなく経済成長を実現するには、両効果のバランスを図っていく必要がある。

[鈴木博夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「設備投資」の意味・わかりやすい解説

設備投資
せつびとうし
plant and equipment investment

建物とか機械設備などの有形固定資産に資金を投資することをいう。設備投資は大きく民間投資公共投資とに分けられる。民間投資は企業が採算の立場から自己の責任において投資するものであり,公共投資は政府または地方公共団体が社会福祉のために投資するものである。企業の生産力は企業の保有する設備能力,労働力,技術力によって規制されるが,そのなかでも設備能力の占める役割は決定的である。現在日本が国民総生産 GNPの高さを世界に誇りえているのは継続的な設備投資の結果であるといっても過言ではない。民間投資は需要に依存するので好況期には盛んに行われるが,他方不況期にも逆に需要を喚起する目的で公共投資が盛んに行われる傾向がある。

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百科事典マイペディア 「設備投資」の意味・わかりやすい解説

設備投資【せつびとうし】

機械設備に対する投資。工場・ダムなどの営業用建設や住宅建設などに対する建設投資を含めた固定資本投資の意にも用いる。好況のときには設備投資がふえる。また,新技術の導入や企業間の競争によっても設備投資が集中する。生産能力を高めるほか,機械の発注など需要を増大させる効果があり,国民経済に大きな影響を及ぼす。→ジュグラーの波

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知恵蔵 「設備投資」の解説

設備投資

企業が行う工場や事務所等の建物建設、機械・器具の購入、ソフトウエア開発などに資金を投入すること。その目的は生産設備の新設、生産能力の増強、陳腐化した設備の更新・補強、合理化、省エネ・省力化、情報化などである。企業は設備を用い財・サービスを生産することから、企業の成長には不可欠なものであり、企業の景況感も敏感に反映する。日本の設備投資は国内総生産の13〜15%程度を占め、個人消費とともに景気の重要な経済指標の1つ。

(本庄真 大和総研監査役 / 2008年)

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改訂新版 世界大百科事典 「設備投資」の意味・わかりやすい解説

設備投資 (せつびとうし)

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世界大百科事典(旧版)内の設備投資の言及

【景気循環】より

…そして,既存の工場内で生産者耐久施設の大きさを変動させるより,新しい工場を建設する場合のほうが,一度により多額の支出を行わなければならないであろう。そこで,機械関係の設備投資より,建設関係の投資のほうが一つの財として分割可能性が小さく,需要量の変動に対して,それだけ長い調整時間を必要とするであろう。つまり,需要量が増加し,生産能力の不足がみえはじめたとき,機械設備の増加によって既存の工場内での生産能力を増加させることは,新工場の建設によって生産能力を増加させることに比べて,より速やかに行われるであろうということである。…

【資本蓄積】より

…粗投資から資本の損耗を差し引いたものが純投資と呼ばれる。 投資または資本形成は,実物資本の種類に応じて,設備投資,建設投資(企業の建物だけでなく,個人の住宅建設を含む),在庫投資からなる。これらは,民間によって行われるもの(民間資本形成),および政府によって行われるもの(政府資本形成)の双方を含む。…

【投資】より


[対象による分類]
 投資は,その対象によって,物的投資と金融投資とに分けられる。物的投資には,主として非居住用建物,構築物,機械設備,装置,輸送運搬機器などの設備投資,製品,原材料への在庫投資および住宅投資がある。金融投資は,株式,債権などの有価証券への投資である。…

※「設備投資」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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