日本歴史地名大系 「大峯山寺」の解説 大峯山寺おおみねさんじ 奈良県:吉野郡天川村洞川村大峯山寺[現在地名]天川村大字洞川字大峯山上(さんじよう)ヶ岳(一七一九・二メートル)山頂にある。単立で、本尊蔵王権現。金峯山(きんぶせん)寺(現奈良県吉野町)の山上蔵王堂にあたり、女人禁制であった。寺伝では役行者の開基とされ、湧出(ゆうしゆつ)岳で金剛蔵王権現を感得、岩上(現山上本堂の内陣)に安置したと伝える。いわゆる金峯山については「熊野権現金剛蔵王宝殿造功日記」に「天平六年八月二日金峯山上蔵王堂竜火焼、但竜火打消畢 即此御時宝殿大造畢」とあり、「聖宝僧正伝」には寛平七年(八九五)金峯山に如意輪観音・多聞天・金剛蔵王菩薩の像を造立したと記す。以来、御嶽精進(みたけそうじ)の全国的行場として、宇多・白河両上皇はじめ藤原道長・頼通・師通など公卿・高僧の参詣が相次いだ(「金峯山創草記」金峯山寺蔵)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報