大穴持神社(読み)おおなむぢじんじや

日本歴史地名大系 「大穴持神社」の解説

大穴持神社
おおなむぢじんじや

[現在地名]国分市広瀬三丁目

鹿児島湾に沿って走る国道一〇号の北側に面して鎮座する。旧県社。大己貴命を主祭神として、相殿に少彦名命・大歳神を配祀する。土地の人々には「オナンジサァー」と称されて親しまれ、まむしなどの毒蛇除けに霊験があるとされている。「延喜式」神名帳に載る囎唹そお郡三座のうちの同名社に比定される。「続日本紀」天平宝字八年(七六四)一二月是月条によると、「大隅薩摩両国之堺」で噴火があり、七日後に空が晴れると「麑嶋信尓村之海」に沙石が集まり、三つの島が生じていたという。同書天平神護二年(七六六)六月五日条には「大隅国神造新嶋、震動不息」とみえ、このために民の多くが流亡し、国は食料などを支給している。


大穴持神社
おおなもちじんじや

[現在地名]御所市大字朝町小字宮山

唐笠とがさ(三二二メートル)東麓に鎮座し、三輪みわ明神ともいう。旧村社。大己貴おおなむち命を祀る。「延喜式」神名帳葛上かつじよう郡の「大穴持神社」とされる。本殿はなくサルスベリ(現在はウラジロガシ、ネジキも)大樹を神体とした。「大和志」にも「霊畤唯有拝殿華表而不設宮屋以存故実也」とあり、大神おおみわ神社(現奈良県桜井市)と同様、自然神を崇拝する原始的信仰と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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