大野貝塚(読み)おおのかいづか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大野貝塚」の意味・わかりやすい解説

大野貝塚
おおのかいづか

熊本県八代(やつしろ)郡氷川(ひかわ)町大野、国道3号沿いの同地区の小学校付近一帯にある遺跡縄文時代後期の土器片、人骨などの出土が知られているが、近年ほとんどの地域が宅地化して壊滅寸前にある。本貝塚は1879年(明治12)モースが九州旅行中同貝塚を訪れており、モースの滞日日記『日本その日その日』にも掲載され、九州地方では学界にもっとも古く知られた縄文文化の貝塚遺跡の一つである。

 また同県下宇城(うき)市松橋(まつばせ)町大野にも同一名の貝塚がある。こちらの大野貝塚も国道3号沿いにあり、縄文後期末の御領式土器の時期の貝塚で、人骨を出土している。後者別名を、所在地の旧地名当尾(とうのお)村にちなんで、当尾貝塚ともいう。両者は直線距離にして8キロメートル余の地にあり、誤りやすい。

[江坂輝彌]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「大野貝塚」の解説

大野貝塚
おおのかいづか

[現在地名]竜北町大野 硴原

八代海に面する低丘陵の先端に位置する縄文時代の貝塚。貝塚はハイガイカキを主としマテガイアカニシハマグリなど鹹水産の貝類から構成される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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