日本歴史地名大系 「大龍院」の解説 大龍院だいりゆういん 鳥取県:気高郡気高町母木村大龍院[現在地名]気高町宝木宝木(ほうぎ)集落の南方、JR山陰本線宝木駅南の山麓にある。雲谷山と号し、曹洞宗。本尊は釈迦如来。明治一二年(一八七九)の大龍院明細帳(寺蔵)などによると、古くは真言宗の寺院で、金谷山龍太庵と号し、奥沢見(おくぞうみ)板井(いたい)神社の別当寺で、同神社御手洗の続き、龍(りゆう)ヶ崎(さき)という所にあったといい、現在も同所に寺屋舗(てらやしき)という字がある。建武二年(一三三五)後醍醐天皇が隠岐を脱出した折、伯耆国御来屋(みくりや)村(現名和町)より勅使を遣わして板井神社に祈願、併せて龍太庵に寺領二四石を寄せ勅筆綸旨を下されたという(県神社誌)。その後一時荒廃していたが、文明元年(一四六九)守護山名氏は、備中小田(おだ)郡洞松(とうしよう)寺(現岡山県矢掛町)から宵巌(祥巌)長通を開山に招き、母木(ははき)宿地内の古城跡近くの深田(ふかだ)(現在地)に移し曹洞宗に改めたという。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by