天の時は地の利に如かず地の利は人の和に如かず(読み)テンノトキハチノリニシカズチノリハヒトノワニシカズ

デジタル大辞泉 の解説

てんときかずひとかず

《「孟子」公孫丑から》天の与える好機土地の有利な条件には及ばず、土地の有利な条件も民心和合には及ばない。

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精選版 日本国語大辞典 の解説

てん【天】 の 時(とき)は地(ち)の利(り)に如(し)かず、地(ち)の利(り)は人(ひと)の和(わ)に如(し)かず

  1. ( 「孟子‐公孫丑・下」の「天時不地利、地利不人和」による ) 好機は地理的有利さに及ばず、地理的有利さは人心一致にかなわない。事をなすには人の和が第一であるという意。
    1. [初出の実例]「天の時は不地利、地の利は人の和(クヮ)に如かずといへり」(出典太平記(14C後)四)

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故事成語を知る辞典 の解説

天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず

何かをするに際しては、それに携わる人々の心が一つになっていることが最も大切だ、ということ。

[使用例] まことに「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」で、和の欠けた国家隆昌し、発展したためしはありません[高神覚昇*般若心経講義|1934]

[由来] 「孟子こうそんちゅう・下」に出て来る、孟子のことばから。城を攻めるときには、「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず(いくら運勢がいい時でも、地形の有利さにはかなわない。地形の有利さも、人々の心が一つになっていることにはかなわない)」というのが、そのことば。だから、善政を行って人々の気持ちをつかめば、戦って負けることはないのだ、と説いています。

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