天沢寺跡(読み)てんたくじあと

日本歴史地名大系 「天沢寺跡」の解説

天沢寺跡
てんたくじあと

[現在地名]静岡市大岩本町

現在の富春ふしゆん院の北にあったとされる臨済寺院。陽光山と号し、臨済りんざい寺別院であった(修訂駿河国新風土記)。永禄三年(一五六〇)五月一九日に尾張桶狭間合戦で織田信長軍に敗れ死去した今川義元は、同年六月五日に臨済寺で葬儀にふされ、同寺近辺に葬られ、その地に新たに菩提寺として天沢寺が創建されたという。その正確な墳所は不明であるが、「駿河志料」によれば、文化一〇年(一八一三)に義元を床下に埋葬していた仏殿が取壊されたという。


天沢寺跡
てんたくじあと

[現在地名]福井市東新町 賢沢

東新ひがしじん町南西方の山麓、字賢沢けんたくにあった寺院。現存しない。宗派は不明。「朝倉始末記」に「去程ニ永正九年三月廿五日ニ、貞景鷹野ヘ出玉イケル路次ニ於テ、正年四十歳ニテゾ捐館ナサレケル。賢息彼為菩提寺ヲ建立ナサレケリ。今ノ天沢寺、貞景逝去ノ処ナリト云々」とあって、永正九年(一五一二)朝倉貞景鷹狩の途次死亡した場所に当寺を建立したもので、寺名は貞景の法名天沢宗清による。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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