天王寺屋五兵衛(読み)てんのうじやごへえ

改訂新版 世界大百科事典 「天王寺屋五兵衛」の意味・わかりやすい解説

天王寺屋五兵衛 (てんのうじやごへえ)

江戸時代の大坂両替商。姓は大眉氏。初代光重(1623-94)は大坂に盛行した手形創始者と伝えられ,1670年(寛文10)同地に組織された十人両替に選任された。以後天王寺屋幕末までほぼ一貫してその地位にあり,幕府の御用両替として公金の出納を取り扱うとともに,雲州松平家,讃州松平家などの蔵元掛屋を務めるなど,金融業界きっての名門であったが,明治維新の経済変動により倒産した。
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関連語 鶴岡

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「天王寺屋五兵衛」の解説

天王寺屋五兵衛 てんのうじや-ごへえ

?-1695* 江戸時代前期の商人
寛永5年大坂で最初に両替商をはじめ,手形の振り出しを創案した。寛文10年大坂町奉行によって制度化された十人両替の筆頭となる。以後,天王寺屋は代々五兵衛を名のり,幕末までつづいた。元禄7年12月死去。摂津住吉郡(大阪府)出身。姓は大眉(おおまゆ)。名は光重。

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367日誕生日大事典 「天王寺屋五兵衛」の解説

天王寺屋五兵衛(初代) (てんのうじやごへえ)

生年月日:1623年7月12日
江戸時代前期の大坂両替商の創始者
1695年没

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世界大百科事典(旧版)内の天王寺屋五兵衛の言及

【両替】より


[大坂の両替屋]
 両替屋が活躍し栄えた地は三都で,なかんずく大坂が歴史的に古い。両替業は天王寺屋五兵衛をはじめとし,のちに小橋屋浄徳,鍵屋六兵衛が参加し,1662年(寛文2)天王寺屋ともども幕府公用にあたった。両替屋名称の公認はこの年のことである。…

※「天王寺屋五兵衛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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