太棹(読み)フトザオ

デジタル大辞泉 「太棹」の意味・読み・例文・類語

ふと‐ざお〔‐ざを〕【太×棹】

三味線種類の一。棹の太さによって3種に分けたうちの最も太いもの。胴も大きく、また弦も太い。義太夫節などに用いられる。→中棹ちゅうざお細棹ほそざお
義太夫節異称

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精選版 日本国語大辞典 「太棹」の意味・読み・例文・類語

ふと‐ざお‥ざを【太棹】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 太いさお。
  3. 義太夫節などに使用する棹の太い三味線。ふと。
    1. [初出の実例]「ふと棹(サホ)もなるかとおもへば助六の出端(では)ぐらいはかたり」(出典洒落本・酔姿夢中(1779))
  4. 義太夫節の異称。
    1. [初出の実例]「ふとざほはしののめつくる烏泣きとかたるに」(出典:洒落本・山下珍作(1782)発端)
  5. 太い陰茎。
    1. [初出の実例]「北八とやらは、大かた、ふと棹だろふよ」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「太棹」の意味・わかりやすい解説

太棹
ふとざお

三味線を棹の幅によって便宜的に太棹、中棹(ちゅうざお)、細棹(ほそざお)の三つに分類したものの一つ。義太夫節(ぎだゆうぶし)三味線、津軽三味線などが含まれる。

[編集部]

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世界大百科事典(旧版)内の太棹の言及

【義太夫節】より

…同時に,音楽として,音遣いが大切で,これによって情合を表出する。 楽器は,太夫の発声,音色,劇的要請に対応でき,京坂人の音色の好みに合う太棹の三味線を主要楽器とする。人物や内容に応じて多彩な撥遣いをみせ,表現の幅がひろい。…

【三味線】より

…全長はおよそ1m前後のものを標準とする。太いものを太棹といい,義太夫節などで用いる。細いものを細棹といい,長唄,小唄,河東節,荻江節などで用いる。…

※「太棹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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