太良岳神社(読み)たらだけじんじや

日本歴史地名大系 「太良岳神社」の解説

太良岳神社
たらだけじんじや

[現在地名]太良町大字多良字油津

現在の太良岳神社は、油津あぶらつの海岸に昭和四六年(一九七一)、太良町内の川上かわかみ神社(多良地区の氏神、旧村社)荒穂あらほ神社(糸岐地区の氏神、旧郷社)多良たら岳神社(旧村社)の三社を合したもので、従来の多良岳頂上の神社を上宮として残し、各社の祭神はそのまま合祀されている。川上神社は豊玉姫命、荒穂神社は瓊々杵尊、多良岳神社は瓊々杵尊・五十猛尊・大山祇神である。

多良岳は、標高一〇七六メートルのきようヶ岳を主峰とする山系のうち標高九八三メートルの秀麗な山容を呈する死火山で、長崎・佐賀県境にそびえ、旧藤津・高来彼杵そのぎの各郡にまたがる。「肥前風土記」に「塩田川しほたかは在郡北 此川之源 出郡西南託羅之峯、東流入海」とあり、「筑後国風土記」逸文に「昔者 棟木一株 生於郡家南 其高九百七十丈 朝日之影 蔽肥前国藤津郡多良之峯」とある。奈良時代から広く知られた名山

「肥前古跡縁起」に

<資料は省略されています>

とある。太郎嶽年祭勧化略縁起によると、奈良時代の和銅年中(七〇八―七一五)に行基菩薩が自ら弥陀・釈迦・観音の三体の仏像を作って、太郎嶽三所大権現とあがめ、御尊体を大良岳に納めたとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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