日本歴史地名大系 「藤津郡」の解説
藤津郡
ふじつぐん
佐賀県の西南隅に位置し長崎県に隣接する。鹿島市により北(塩田町・嬉野町)と南(太良町)に分断され、東は有明海に面する。
「肥前風土記」に「藤津郡 郷肆所里九 駅壱所 烽壱所」とあり、日本武尊が「此津」に至り「大藤」に船をつないだという地名説話を伝える。また「筑後国風土記」逸文に「蔽肥前国藤津郡多良峰」、平城宮出土木簡に「藤津郡」、「三代実録」貞観八年(八六六)七月一五日条に「藤津郡領葛津貞津」とあり、「和名抄」に「布知豆」と訓じている。この「藤津郡」は現在の藤津郡と鹿島市を併せた地域と比定される。
〔原始〕
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報