熊本県北東部、阿蘇(あそ)郡にあった旧町名(一の宮町(まち))。現在は阿蘇市の中央部を占める。旧一の宮町は1954年(昭和29)宮地(みやじ)町と、中通(なかどおり)、古城(こじょう)、坂梨(さかなし)の3村が合併して改称。2005年(平成17)阿蘇町、波野(なみの)村と合併、市制施行して阿蘇市となった。旧町域はJR豊肥(ほうひ)本線が通じ、国道57号、265号また有料道路「やまなみハイウェイ」も走っている。名を肥後(ひご)国一宮(いちのみや)(阿蘇神社)に由来するこの町は、火口原沖積層とそれを縁どる火山岩、火山噴出物からなり、いわゆる阿蘇山の北東四半分を占める。中通古墳群、国造神社(こくぞうじんじゃ)、阿蘇神社などの存在から開発の古さがうかがい知れる。火口原の稲作、外輪山、五岳山麓(さんろく)の放牛およびスギ、クヌギの育林などが土地利用の基本形であり、水稲と葉タバコ栽培のほか、牧野の高冷地野菜畑への転換は新しい傾向である。火山崇敬に源を発する阿蘇五岳登山は、中腹の四季の植生景観、阿蘇神社の祭り(御田植(おたうえ)祭、田実(たのみ)祭ほか)とともに阿蘇観光の主柱となっている。また、宮地地区は、阿蘇観光の東の窓口ともなっている。
[山口守人]
群馬県富岡市の市街地西方の一地区。鏑(かぶら)川北岸の小高い丘にある上野(こうずけ)国一宮(いちのみや)の一之宮貫前神社(いちのみやぬきさきじんじゃ)所在地で知られる。上信電鉄、国道254号が通じる。
[編集部]
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