一の宮(読み)いちのみや

精選版 日本国語大辞典 「一の宮」の意味・読み・例文・類語

いち【一】 の 宮(みや)

第一番目の皇子、または皇女
大和(947‐957頃)一三九「故兵部卿の宮、若男(わかをとこ)にて一宮ときこえて」
諸国由緒(ゆいしょ)ある神社で、その国の第一位に待遇される神社。また、一郡、一郷あるいは一社中の各社殿の内、一位に遇せられるもの。現在、各地地名として残っている。
今昔(1120頃か)一七「周防の国の一の宮に玉祖(たまつおや)大明神と申す神在(まし)ます」

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デジタル大辞泉 「一の宮」の意味・読み・例文・類語

いち‐の‐みや【一の宮】

第1皇子。一の御子みこ
一国内にある神社のうち、その国で最も由緒があり、第一番に格付けされた神社。各地に地名として残る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「一の宮」の意味・わかりやすい解説

一の宮
いちのみや

熊本県北東部、阿蘇(あそ)郡にあった旧町名(一の宮町(まち))。現在は阿蘇市の中央部を占める。旧一の宮町は1954年(昭和29)宮地(みやじ)町と、中通(なかどおり)、古城(こじょう)、坂梨(さかなし)の3村が合併して改称。2005年(平成17)阿蘇町、波野(なみの)村と合併、市制施行して阿蘇市となった。旧町域はJR豊肥(ほうひ)本線が通じ、国道57号、265号また有料道路「やまなみハイウェイ」も走っている。名を肥後(ひご)国一宮(いちのみや)(阿蘇神社)に由来するこの町は、火口原沖積層とそれを縁どる火山岩、火山噴出物からなり、いわゆる阿蘇山の北東四半分を占める。中通古墳群、国造神社(こくぞうじんじゃ)、阿蘇神社などの存在から開発の古さがうかがい知れる。火口原の稲作外輪山、五岳山麓(さんろく)の放牛およびスギ、クヌギの育林などが土地利用の基本形であり、水稲と葉タバコ栽培のほか、牧野の高冷地野菜畑への転換は新しい傾向である。火山崇敬に源を発する阿蘇五岳登山は、中腹の四季の植生景観、阿蘇神社の祭り(御田植(おたうえ)祭、田実(たのみ)祭ほか)とともに阿蘇観光の主柱となっている。また、宮地地区は、阿蘇観光の東の窓口ともなっている。

[山口守人]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一の宮」の意味・わかりやすい解説

一の宮
いちのみや

熊本県北東部,阿蘇市中東部の旧町域。阿蘇火口原の阿蘇谷東部にある。 1954年宮地町と中通村,古城村,坂梨村の3村が合体して一の宮町が成立。 2005年阿蘇町,波野村と合体し阿蘇市となる。中心地区は宮地で,肥後一の宮の阿蘇神社があり,高岳,中岳への登山基地。坂梨は豊後街道の旧宿場町。阿蘇谷最大の古墳群である中通古墳群,手野 (ての) には国造神社がある。阿蘇の農耕祭事は国の重要無形民俗文化財。米作が行なわれるほか,阿蘇赤牛の産地として知られる。全域が阿蘇くじゅう国立公園に属し,小牧堀に国立阿蘇青年の家がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「一の宮」の意味・わかりやすい解説

一の宮 (いちのみや)

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