如何にして(読み)イカニシテ

デジタル大辞泉 「如何にして」の意味・読み・例文・類語

いかに‐し‐て【如何にして】

[連語]《副詞「いかに」+動詞「す」(サ変)の連用形接続助詞「て」》
手段原因理由についての疑問を表す。どうやって。「如何にして再興すべきか」
願望を表す。どうにかして。何としてでも。
「独りのみ思ふはくるし―同じ心に人を教へむ」〈後撰・恋二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「如何にして」の意味・読み・例文・類語

いかに【如何に】 して

  1. ( 「いかに」にサ変動詞「す」の連用形「し」と助詞「て」の付いたもの ) 連用修飾語に用いる。
  2. 手段、方法、原因を疑い問う意を表わす。どのようにして。どうして。なぜ。
    1. [初出の実例]「伊可爾思弖(イカニシテ)恋ひばか妹に武蔵野のうけらが花の色に出ずあらむ」(出典万葉集(8C後)一四・三三七六(或本歌))
  3. 反語を表わす。どうして…か、どのようにして…か(どうにもならない、どうにもできない)。
    1. [初出の実例]「いかにして 思ふ心を のばへまし〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇三)
  4. 手段、方法を願い求める意を表わす。どうかして。なんとかして。
    1. [初出の実例]「玉津島見れども飽かず何為而(いかにして)(つつ)み持ちゆかむ見ぬ人の為」(出典:万葉集(8C後)七・一二二二)
  5. 不定のままの意を表わす。どうこうして。
    1. [初出の実例]「本(もと)より何(いか)にして出来けりと不知」(出典:今昔物語集(1120頃か)二六)
  6. なんとしても。いかにしても。
    1. [初出の実例]「目も鼻もなくつつへりとしたる㒵也。〈略〉いかにして昼は見る事迷惑して」(出典:浮世草子・好色盛衰記(1688)二)

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