(読み)ヒ

デジタル大辞泉 「婢」の意味・読み・例文・類語

ひ【婢】[漢字項目]

[音]ヒ(漢)
女の召使い下女。はしため。「婢僕下婢官婢侍婢奴婢どひ・ぬひ僕婢
女性自分をへりくだっていう語。「婢子

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精選版 日本国語大辞典 「婢」の意味・読み・例文・類語

ひ【婢】

  1. 〘 名詞 〙 召使いの女。下働きの女。はしため。下女。下婢。また、女の奴隷
    1. [初出の実例]「婢真物売、年弐拾陸歳」(出典:正倉院文書‐養老五年(721)下総国葛餝郡大嶋郷戸籍)
    2. [その他の文献]〔世説新語‐徳行〕

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普及版 字通 「婢」の読み・字形・画数・意味


11画

[字音]
[字訓] はしため・わらわ

[説文解字]
[甲骨文]

[字形] 形声
声符は(卑)(ひ)。に卑賤の意があり、俾使(ひし)の意がある。そのような女を婢という。〔説文〕十二下に「女のしきなり。女に從ふ。は亦聲なり」という。古い時代には、女の罪ある者を没して官婢とした。

[訓義]
1. はしため、下女、女奴。
2. わらわ、めわらわ。
3. めかけ。
4. 女の謙称

[古辞書の訓]
和名抄〕婢 也豆古(やつこ) 〔名義抄〕婢 ヤツコ 〔立〕婢 ヤツコ・イヤシ

[語系]
婢・俾・bieは同声。pieに卑少の意があり、声の字は多くその声義を承ける。

[熟語]
婢使婢女婢妾婢賤・婢・婢僕
[下接語]
越婢・下婢・官婢・群婢・細婢・侍婢・従婢・少婢・壻婢・乳婢・奴婢・買婢・傅婢・僕婢・婢・婢・老婢

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百科事典マイペディア 「婢」の意味・わかりやすい解説

婢【ひ】

奴婢(ぬひ)

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【賤民】より

…これに対し,賤民は不自由民で,私的・公的な権利や利益の享有に制限が加えられていた。〈賤民〉という用語についてはいくつかの理解がありうるが,以下においては,奴婢(ぬひ)や奴隷を含めて,最も広義に解釈することにしたい。 中国における奴婢(奴隷と同義)の起源ははなはだ古く,甲骨文にもみえているが,その発生の状況を明らかにすることはできない。…

【奴婢】より


[日本]
 古代の賤民。男性を奴(やつこ),女性を婢(めやつこ)と称する。律令制以前には奴隷的な賤民を一括して奴婢と称したが,大宝令(戸令)では,私有奴婢は私奴婢と家人(けにん)(家族を成し家業を有し売買されない上級賤民)に,官有奴婢は官奴婢(公奴婢とも)と官戸(かんこ)(家人とほぼ同じ身分)に分化した。…

※「婢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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