存心(読み)ゾンシン

デジタル大辞泉 「存心」の意味・読み・例文・類語

ぞん‐しん【存心】

心中に思うところ。考え。存意
「ちょっとおめえの三絃さみせんを願はうといふ―だ」〈滑・八笑人・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「存心」の意味・読み・例文・類語

ぞん‐しん【存心】

  1. 〘 名詞 〙 心中に思うところ。考え。存意。所存
    1. [初出の実例]「其の存心する処の剛操もあらはれつべき也」(出典:山鹿語類(1665)二一)
    2. 「ちょっとおめへの三絃(さみせん)をねがはうといふ存心(ゾンシン)だ」(出典滑稽本・八笑人(1820‐49)二)

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普及版 字通 「存心」の読み・字形・画数・意味

【存心】そんしん

心を存し、本性を養う。〔孟子、離婁下〕君子の、人に異なる以(ゆゑん)のは、其の心を存するを以てなり。君子は仁を以て心を存し、禮を以て心を存す。

字通「存」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「存心」の意味・わかりやすい解説

存心
そんしん
cun-xin

中国儒家の実践命題。『孟子』尽心編にみえる「その心を存し,その性を養うは天に事 (つか) えるゆえんなり」という語に基づく。性善説に立って,善なる性を曇らされないままで維持し,放心を求めていくことが,ついには天に通じる道であるという考え方で,特に宋学などで強調された。

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世界大百科事典(旧版)内の存心の言及

【鄭斉斗】より

…かたわら天文暦学,文字学,社会制度の研究に励み,〈虚〉〈仮〉を憎む〈実学〉を実践した。しかし代表作《存心》をはじめとする彼の全著作は,陽明学者なるゆえに当時は刊行されなかった。全集に《霞谷集》がある。…

※「存心」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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