日本大百科全書(ニッポニカ) 「宅食ビジネス」の意味・わかりやすい解説
宅食ビジネス
たくしょくびじねす
顧客がインターネットや電話などで注文した食品や食事を、自宅などの指定された場所まで配達するサービス。ピザや弁当などを宅配するデリバリー業者をはじめ、店舗をもたない専門業者などを中心にサービスが行われている。生鮮食品や果物、冷凍食品や総菜、弁当や介護食、水などといった家庭向けの食品から日用品などの消耗品まで取扱い商品が広がり、活発になってきた。取扱い商品を複合的に展開する大手スーパーマーケットや量販店、コンビニエンス・ストアなどが増える一方で、高齢者や自力で調理のできない人などを対象とした配食や、管理栄養士による献立にしたがった食事、無農薬野菜や無添加食品を使って糖分や塩分などの配合を少なくしたものなど、値段は若干割高でも安全なもの、食べる人の状態にあったもの、健康によいものなどが、細かく選べる宅食ビジネスも広がっている。
宅食ビジネスは2010年(平成22)ごろから食品関連の宅配ビジネスに、大手スーパーマーケットやコンビニエンス・ストア、外食産業などが相次いで参入し、急速に拡大した。外食離れの傾向が強まる一方で、自宅で調理する内食(うちしょく)、買ってきた弁当や総菜などを組み合わせて食事をとる中食(なかしょく)、家族がばらばらのものを食べる個食(こしょく)などの傾向が強まったことが、いっそう市場を広げる結果につながった。
[編集部]