日本歴史地名大系 「宇江城グスク」の解説 宇江城グスクうえぐすくぐすく 沖縄県:久米島・渡名喜島・粟国島久米島町宇江城村宇江城グスク[現在地名]久米島町宇江城 山田原久米島の北端部、島内最高所の宇江城(ういーぐしく)岳(古くは中城岳)の頂上に形成された城。中(なか)グスク・仲里(なかざとう)グスク・上(ういー)グスクとも。宇江城(うえぐすく)城跡の名称で県指定史跡。宇江城岳頂上からは慶良間(けらま)諸島や渡名喜島・粟国島、晴れた日には沖縄島を眺望することができる。「琉球国由来記」によれば、儀間(じま)村伊敷索(いしきなわ)城主の伊敷索按司の次男が大城山に築城しようとしていたところ、堂(どう)の比屋(堂集落の土豪)の下女オトチコハラが中城(なかぐしく)御嶽のある中城岳は水の便があり、要害でもあるので城地に適していると勧め、当地を選定した。中城御嶽の神は神託して比嘉(ひが)岳に遷座したので、伊敷索按司の次男は石工のムクチ樽ガネに普請させ城を築き、入城して久米中城按司を名乗った。しかし尚真王(在位一四七七―一五二六年)による久米島征討により城は陥落し、中城按司は嫡子を堂の比屋に託した後、西銘(にしみ)村シラシ御嶽に入り消息を絶った。中城岳御嶽はこの按司の亡霊を崇敬している。なお当初久米仲城(なかぐしく)(中城)と称したが、康熙六年(一六六七)仲里(なかざとう)城と改称したという。中城岳御嶽には「大ナチヤ(大虹か)」「アフライサスカサ(神女名)」「ヲモイキミ世ヨセキミ(神女名)」「イツミジュヰ(冷泉)」「アサカワ・ハラカワ(井戸)」「テダハジメ(按司)」の六神が祀られている(久米仲里旧記)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by