官吏制度(読み)かんりせいど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「官吏制度」の意味・わかりやすい解説

官吏制度
かんりせいど

明治政府の官吏任用制度は明治2 (1869) 年7月8日の職員令附録官位相当表の公布に端を発し,同月 27日には勅任官,奏任官判任官の別が定められた。 1885年 12月 23日内閣制度創始とともに,内閣総理大臣伊藤博文によって示された「官紀五章」に官吏登用の記述があり,それをきっかけとして,87年7月 20日文官試験試補及見習規則が公布されるに及んで,新政府の官吏任用は法制化され一本化された。 89年発布された明治憲法は,第 19条で,一般国民を文武官に任用することを臣民の権利として保障したが,93年 10月 31日公布の文官任用令,文官試験規則は,官吏の任用が門地門閥に左右されることなく,個人の才能によって行われることを明確化した。官吏の一般服務規律は,82年7月 27日制定の行政官吏服務紀律および,それを改正した 87年7月 29日の官吏服務紀律によって規定された。また,懲戒については,76年4月 14日設けられた官吏懲戒令に,譴責罰俸免職の3種の懲戒が定められ,99年それを改めた文官懲戒令が公布された。

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世界大百科事典(旧版)内の官吏制度の言及

【公務員】より

…このことは絶対王政が中央集権的・専門的官僚制の基礎を設定したプロイセンとフランスで最も顕著に現れた。ドイツとくにプロイセンは官吏制度の母国といわれるように,17世紀中ごろ,30年戦争(1618‐48)の廃墟の中から官吏制度が建設され,18世紀末葉のプロイセン一般ラント法典の中で,試験任用制度に関する体系的規定が設けられた。それと同時に,君主に代表される国家に対する官吏の絶対的忠誠と厳格な服務規定が設けられ,また官吏は君主の代理人として,一般国民に対して特権的身分をもっていた。…

※「官吏制度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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