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官製不況 かんせいふきょう

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知恵蔵2015の解説

官製不況

政策や法令による規制など何らかの公権力の行使が経済に影響を及ぼし、景気後退を引き起こした結果として至ったと考えられる不況を、「官」によってつくられた「不況」であるとの意から「官製不況」という。このうち、法令順守の厳格化による影響が強いものについては「コンプライアンス不況」ともいう。いずれも近年の造語であり、厳密な意味での経済学用語ではない。
一般に資本主義経済では景気変動の安定化を目的として、金融政策および財政政策を通して国家が経済に介入する。不況期には金利引き下げや減税および公共投資の拡大などにより景気を刺激し、好況期には逆の手法で景気の過熱を抑制する。1980年代後半から90年代初頭にかけて低金利政策により急速にふくらんだバブル景気は極端な地価高騰などを招いた。これに対して不動産融資への総量規制金融引き締め政策がとられ、結果として急激な景気後退を引き起こした。『新大前研一レポート』(講談社)では「金融不況をつくりだしたのは当時の大蔵省を中心とした官僚たちであった」と記され、「官製不況」の語が広まった。
また、小泉純一郎内閣の「構造改革」による規制緩和の後に、深刻化した消費者被害の防止などを目的として一連の規制強化が行われた。この規制強化が企業の経済活動を妨げたことが不況の要因だとするのが「コンプライアンス不況」説である。このうち、2007年の金融商品取引法施行によって投資が冷え込み建築基準法改正で建築確認申請が厳格化したため住宅着工数が減少し、貸金業法改正による規制強化で金融業者が貸し付けに消極的になったとし、この3つを合わせて「3K不況」ということもある。ただし、これらは規範と秩序にかかわる問題であり、作為による経済政策と混同して論ずることはできないとの意見も強い。

(金谷俊秀 ライター / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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