官途奉行(読み)カントブギョウ

デジタル大辞泉 「官途奉行」の意味・読み・例文・類語

かんと‐ぶぎょう〔クワントブギヤウ〕【官途奉行】

鎌倉幕府室町幕府職名御家人などの官爵叙任をつかさどった。

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精選版 日本国語大辞典 「官途奉行」の意味・読み・例文・類語

かんと‐ぶぎょうクヮントブギャウ【官途奉行】

  1. 〘 名詞 〙 鎌倉・室町幕府の職名。御家人などの官爵、叙任のことをつかさどったもの。
    1. [初出の実例]「武家の官途奉行にて候程に、こころえたく候」(出典:園太暦‐貞和五年(1349)二月二日)

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改訂新版 世界大百科事典 「官途奉行」の意味・わかりやすい解説

官途奉行 (かんどぶぎょう)

鎌倉・室町幕府において御家人の任官叙爵のことをつかさどった官職任官奉行とも呼ばれた。源頼朝は御家人が直接に朝廷から官職を得ることを禁止して頼朝が推挙する方針をとり,以後の幕府も原則としてこの政策をうけついで,任官叙爵も幕府の御恩の一つとなったが,初めのうちはその実務を行う特別の官は置かなかった。しかし成功(じようごう)銭のことなどで叙任に問題があり,13世紀半ばの建長のころには清原満定奉行としてこれに当たっており,その後評定衆の中から官途奉行が任命されている。初期室町幕府でもこの政策が継承されたようで,足利尊氏・直義の二頭政治のころには,直義の指揮下で任官奉行二階堂行秀が朝廷との折衝に当たっている。将軍義満のころには摂津満親がこれに任じられ,のち摂津氏の家職のようになった。
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