家庭医学館 「家庭環境と健康」の解説
かていかんきょうとけんこう【家庭環境と健康】
それだけに、家庭環境と健康とのかかわり合いは深いわけです。
●燃焼器具による空気汚染
燃焼型ストーブや炊事用の調理器具からは、二酸化窒素や一酸化炭素などの汚染物質が排出されます。
これらによる空気の汚れは、屋外の大気汚染を上回るといわれています。
開放型のストーブ(排気が室内に出るタイプ)を使用しているときは、30分ごとに換気をするくらいの注意がたいせつです。
空気中の浮遊物を高電圧の放電で焼却して集塵(しゅうじん)するタイプの家庭用の空気清浄機は、オゾンを発生させます。慢性気管支炎や気管支ぜんそくなどの症状を悪化させる可能性があるので、使用しないほうが無難です。
●建材や家具などからの有害化学物質
新築の家で生活し始めると、せき、目の不快感や流涙(りゅうるい)、胸苦しさなどの症状に悩まされることがあります。建材や家具に使用されているホルムアルデヒド、有機溶剤などの化学物質が気化してできたガスに刺激されるためで、シックホーム症候群といい、シックビル症候群(「職場環境と健康」のシックビル症候群)の家庭版ともいえる状態です。
●アレルゲン
機密性の高い家屋では、アレルゲン(アレルギー反応を誘発する原因物質)となるダニやカビが繁殖しやすいものです。屋内のすみずみまで丹念に掃除し、ダニの住家となるちり(ハウスダスト)をためないようにするとともに、湿気やすい場所の風通しをよくして、カビが生えないようにします。