密奏(読み)ミッソウ

デジタル大辞泉 「密奏」の意味・読み・例文・類語

みっ‐そう【密奏】

ひそかに奏上すること。密封した文書で奏上すること。また、その奏上。
「兵乱疫癘あるべしと陰陽寮頻りに―す」〈太平記・二七〉

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精選版 日本国語大辞典 「密奏」の意味・読み・例文・類語

みっ‐そう【密奏】

  1. 〘 名詞 〙 内密に天皇上奏すること。密封して奏聞すること。また、その上奏。また、天体に異常のある時、陰陽寮より密封して奏聞するものを、特に天文密奏という。
    1. [初出の実例]「密奏料紙筆墨等」(出典:延喜式(927)一六)
    2. [その他の文献]〔文心雕龍‐奏啓〕

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普及版 字通 「密奏」の読み・字形・画数・意味

【密奏】みつそう

内密の上奏。〔文心雕竜奏啓儀を置き、密(ひそ)かに陰陽を奏せしより、(さうなう)(黒布の袋)もて板を封ず。故に封事と曰ふ。

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世界大百科事典(旧版)内の密奏の言及

【奏】より

…天皇に政治上のことで勅裁を仰ぐために,口頭または文書で上申すること。その行為を奏上,上奏,奏聞などといい,内密に奏することを内奏,密奏という。密奏は奏状を密封して奏する場合もある。…

※「密奏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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