密(読み)ミツ

デジタル大辞泉 「密」の意味・読み・例文・類語

みつ【密】

[名・形動]
1 すきまがないこと。ぎっしりと詰まっていること。また、そのさま。「人口が密だ」「網の目を密にする」⇔疎そ。
2 関係が深いこと。親しいこと。また、そのさま。「密な間柄」「連絡を密にする」
3 きめこまかいこと。細部にわたって行き届いていること。また、そのさま。綿密。「密な計画」「密に調べ上げる」
4 こっそりと人に知られないようにすること。また、そのさま。ひそか。秘密。「謀はかりごとは密なるをもってよしとす」
5 「密教」の略。
「顕に付け、―に付け、その悟りたやすからず」〈浄・大原問答〉
[類語](1)過密・稠密ちゅうみつ・櫛比しっぴ・所狭しと・軒を並べる・立錐の余地もない・ぎゅうぎゅう・ぎしぎし・ぎちぎち・きちきち・ぎっしり・びっしり/(3)細かい・綿密・精密・緻密・細密・詳密・厳密・精巧・巧緻・精緻・精妙・精到・小しょう・小さな・ちっちゃい・ちっぽけ・低い・小さめ・矮小わいしょう・寸足らず・ちんちくりん・微小・微細・細微・細か・小振り・小形・小柄・小作り・小粒・豆粒・芥子けし粒・群小・最小・小規模・細細ほそぼそ・零細・ちんまり・こぢんまり・ちまちま・ミニ

みつ【密】[漢字項目]

[音]ミツ(呉) [訓]ひそか みそか
[学習漢字]6年
1 閉ざされて内部がわからない。人に知られない。ひそか。「密会・密教・密航・密告・密使・密室・密約・密輸/隠密おんみつ・機密・枢密・内密・秘密」
2 すきまがない。ぴったりとくっついている。関係が深い。「密集・密生・密着・密度・密閉・密林/過密・気密・緊密・親密・稠密ちゅうみつ」
3 細かく行き届いている。「厳密・細密・周密・精密・綿密」
4 密教。「顕密・台密・東密」
[名のり]たかし
[難読]舎密セイミ

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精選版 日本国語大辞典 「密」の意味・読み・例文・類語

みつ【密】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① ( 形動 ) こまかいこと。すきまのないこと。また、そのさま。緻密。
    1. [初出の実例]「寒気難レ堪、雪時々灑、飃風密度、殿自レ内出御」(出典:後二条師通記‐寛治六年(1092)二月一二日)
    2. 「御堂奉加の辞に曰、竹樹密に土石老いたりと」(出典:俳諧・芭蕉真蹟懐紙(1691))
    3. [その他の文献]〔史記‐酷吏伝〕
  3. ② ( 形動 ) ゆきとどいていること。きめこまやかなこと。また、そのさま。綿密。
    1. [初出の実例]「益議論を密にし」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉緒言)
  4. ③ ( 形動 ) 関係がふかいこと。近しいこと。また、そのさま。親密。
    1. [初出の実例]「実験少しく進み交際少しく密に成り」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉一)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐寄張山人彪詩〕
  5. ④ ( 形動 ) 濃いこと。厚いこと。また、そのさま。〔隋煬帝‐季秋観海詩〕
  6. ⑤ ( 形動 ) ひそかにすること。人知れず行なうこと。また、そのさま。秘密。
    1. [初出の実例]「なんでまり事は密にすればなるが、密にせねば不成ぞ」(出典:史記抄(1477)一一)
    2. [その他の文献]〔易経‐繋辞上〕
  7. ⑥ 「みっきょう(密教)」の略。
    1. [初出の実例]「密と戒と歳月いくばくならず、二宗の大乗を一身に兼学す」(出典:拾遺古徳伝絵詞(1301)二)

ひそ【密・秘】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる ) 静かでものさびしいさま、静まりかえっているさまを表わす語。ひっそり。
    1. [初出の実例]「憂し共おもはぬ、云捨てて、ひそとして有所也」(出典:申楽談儀(1430)能書く様、その二)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「かくてなほ声もなき秦皮(とねりこ)よ、秘(ヒソ)に火ともり」(出典:邪宗門(1909)〈北原白秋〉外光と印象・顔の印象・A)

みそか【密】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 人目にたたず静かなさま。人に知られないようにこっそりするさま。忍びやかなさま。ひそか。
    1. [初出の実例]「難波にみそかにもて出ぬ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))

密の補助注記

漢文訓読文に用いられる「ひそか」に対して和文脈に用いられた。

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普及版 字通 「密」の読み・字形・画数・意味

密
常用漢字 11画

[字音] ミツ
[字訓] ひそか・やすらか・こまかい

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
宀(べん)+必(ひつ)+火。宀は屋、必は(ひつ)で戚(まさかり)。中で聖器の戚に火を加える秘儀で、おそらく祖霊の安寧を求める厳重な儀礼であったのであろう。ゆえに秘密・親密・厳密などの意がある。〔詩、周頌、昊天有成命〕に「夙夜(しゆくや)命を基(はじ)むること宥密(いうみつ)なり」の〔伝〕に「なり」とあり、それは安寧を求める儀礼であった。(ふく)・祕(秘)・(ひつ)なども、同じく戚を聖器とする儀礼であろう。〔説文〕九下に「山の堂の如きなり。山に從ひ、(ふく)聲」とするが、山とは何の関係もない字である。

[訓義]
1. ひそか、密儀、かくす、おくふかい。
2. やすらか、しずか。
3. こまかい、つまびらか。
4. したしむ、つとめる、つつしむ。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕密 シノビヤカナリ・キビシ・タシカナリ・ヒソカニ 〔字鏡集〕密 タツ・ヒソカニ・キビシ・シノビヤカナリ・コマカナリ・タシカナリ・シヅカナリ・トドム・カクス・ツツシム・シヅカ・シケシ・チカシ・カタム・マサシ・アフ

[語系]
密・・謐mietは同声。は〔説文〕七下に「安らかなり」とあり、密と声義同じ。謐は〔説文〕三上に「靜かに語るなり」とするが、聖器の必を用いて、静安の儀礼を行う意と思われる。密に稠密の意があるのは、比pieiと声義通ずるところがあるからである。金文の密の字形に、両戈をならべた形のものがあり、密の呪儀の方法と関係があろう。

[熟語]
密愛▶・密意▶・密印▶・密▶・密雨▶・密雲▶・密▶・密恩▶・密函▶・密款▶・密銜▶・密緘▶・密機▶・密議▶・密▶・密近▶・密契▶・密計▶・密啓▶・密語▶・密行▶・密告▶・密坐▶・密察▶・密札▶・密旨▶・密指▶・密邇▶・密事▶・密爾▶・密▶・密樹▶・密集▶・密書▶・密章▶・密詔▶・密親▶・密靖▶・密静▶・密戚▶・密雪▶・密切▶・密接▶・密▶・密訴▶・密奏▶・密談▶・密致▶・密緻▶・密竹▶・密牒▶・密勅▶・密偵▶・密度▶・密白▶・密微▶・密勿▶・密閉▶・密▶・密房▶・密報▶・密密▶・密霧▶・密約▶・密諭▶・密友▶・密理▶・密慮▶・密量▶・密林▶・密令▶
[下接語]
遏密・陰密・隠密・鬱密・奥密・恩密・華密・款密・機密・近密・禁密・緊密・顕密・厳密・細密・密・周密・峻密・純密・詳密・情密・神密・深密・慎密・親密・密・密・枢密・精密・繊密・疎密・致密・緻密・稠密・綢密・篤密・内密・繁密・秘密・微密・密・綿密・茂密・密・網密・宥密・幽密・麗密

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