日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
富士電機ホールディングス(株)
ふじでんきほーるでぃんぐす
富士電機グループを統括する持株会社。2003年(平成15)富士電機を持株会社に移行して設立した。資本金476億円(2008)、売上高9222億円(2008)、従業員数5万0267人(2008。連結ベース)。
前身は、1923年(大正12)古河電気工業(株)とドイツのジーメンス社との資本・技術提携によって設立した富士電機製造である。1933年(昭和8)日本最初の碍子(がいし)形遮断器を製作、1935年に通信機部門を分離して富士通信機製造(現富士通)を設立した。第二次世界大戦後は1956年(昭和31)に第一原子力産業の結成に参加し、原子力発電商用機第1号を受注。1959年には国産初のシリコン整流器を完成、60年代には家電市場にも進出した。1968年川崎電機製造(1959設立)を合併。1969年から自動販売機を製造、70年以降はIC、制御システム、アモルファス太陽電池などにも力を入れている。1984年9月に社名を富士電機に変更した。1999年(平成11)社内カンパニー制を導入し、電機システム、機器・制御、電子、流通機器システムの4カンパニーとし専業化を推進。2003年4月、流通機器システム事業部門を、「富士電機冷機」(1965設立。自動販売機の販売、サービス事業会社)と統合し、自動販売機事業を専業とする「富士電機リテイルシステムズ」を設立。同年10月、全事業を分割し、「富士電機」を持株会社「富士電機ホールディングス」へ移行した。事業の分割については、電機システム事業部門を富士電機の子会社である「富士電機システムズ」(1965設立)に、機器・制御事業部門を新設の「富士電機機器制御」に、電子事業部門を新設の「富士電機デバイステクノロジー」にそれぞれ承継した。また、情報関連システム等の開発部門と生産技術研究開発部門は、富士電機の子会社「富士電機総合研究所」(1980設立)に承継し社名を「富士電機アドバンストテクノロジー」とした。なお富士電機の2002年9月30日当時の資本金は476億円、従業員数8368人であった。
[中村清司]
『富士電機製造株式会社編・刊『富士電機社史』1・2(1958,74)』▽『富士電機社史編集室編『富士電機社史――創立80周年を迎えて』(2004・富士電機ホールディングス)』