富小路殿跡(読み)とみのこうじどのあと

日本歴史地名大系 「富小路殿跡」の解説

富小路殿跡
とみのこうじどのあと

太政大臣藤原実氏の邸宅。「百錬抄」建長元年(一二四九)二月一日条に「閑院内裏炎上払云々、主上行幸大相国冷泉富小路亭」とあり、その位置を「拾芥抄」東京図は冷泉小路南、富小路東方一町の地に「富小路殿」と記す。これは現布袋屋ほていや町・達磨だるま町の大部分の地にあたる。

この邸は、それ以前にも「百錬抄」貞永元年(一二三二)一〇月一四日条や「古今著聞集」などによれば、後堀河院が仙洞として使用している。以後もしばしば里内裏仙洞御所として使用されており、正元元年(一二五九)後深草天皇遷御、弘安一〇年(一二八七)一〇月伏見天皇の受禅などが知られるが、永仁五年(一二九七)四月一八日に焼亡(帝王編年記)。すぐに復興したらしく、翌年七月には後伏見天皇はここで受禅している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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