寛元寺(読み)かんげんじ

日本歴史地名大系 「寛元寺」の解説

寛元寺
かんげんじ

[現在地名]筑後市西牟田

字寛元寺にある。五葉山と号し、臨済宗南禅寺派。本尊釈迦如来。行基の開山と伝える休気山竹立ちくりゆう院跡に、寛元元年(一二四三)地頭西牟田弥次郎家綱(入道行西)開基、雲山元怡の開山により建立されたという。雲山は家綱の子家次で、肥前国万寿まんじゆ(現佐賀県大和町)において剃髪、鎌倉円覚寺の住持となり(太宰管内志・三潴郡誌)、その後当寺を建立したという(「寺院明細帳控」寛元寺文書)。建長六年(一二五四)六月日の権大納言家政所下文(寛元寺文書/鎌倉遺文一一、以下中世史料は断りのない限り同文書)に「寛元寺」とみえ、西牟田にしむた村の名主行西は当寺の阿弥陀・観音両堂に田六町を寄進することを三潴みづま庄、鰺坂あじさか(現小郡市)の領家権大納言家四条家に申請し、認められている。これより以前、正治三年(一二〇一)西牟田村住人実顕法師が造立した観音堂に仏餉灯油料田として荒野田代二町が寄進されている(同年二月一一日「某家政所下文」鎌二)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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