寛平后宮歌合(読み)かんぴょうのきさいのみやのうたあわせ

改訂新版 世界大百科事典 「寛平后宮歌合」の意味・わかりやすい解説

寛平后宮歌合 (かんぴょうのきさいのみやのうたあわせ)

893年(寛平5)の秋以前に,宇多天皇が母の皇太夫人(ぶにん)班子女王の宮で催した歌合。春,夏,秋,冬,恋の5題各20番200首に及ぶ大規模な歌合であるが,実は《是貞親王家歌合(これさだのみこのいえのうたあわせ)》とともに宇多天皇が企図した勅撰和歌集の試行としての《新撰万葉集》の撰歌の手段であって,この歌合の左歌が《新撰万葉集》の上巻を,右歌が下巻を形成している。出詠歌人には,紀友則藤原興風(おきかぜ)の13首,紀貫之の7首などが目だっている。
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