寺社縁起(読み)じしゃえんぎ

百科事典マイペディア 「寺社縁起」の意味・わかりやすい解説

寺社縁起【じしゃえんぎ】

寺院や神社の草創説話。747年に成立した法隆寺大安寺元興寺の《伽藍(がらん)縁起并流記資材帳》の例が古く,平安時代以降社寺参詣が盛んになると,物語・説話の中に積極的に取り上げられるほか,中世には《醍醐寺本縁起集》《菅家本諸寺縁起集》や《伊呂波字類抄》(《色葉字類抄》の)諸社・諸寺部のように,その類聚も試みられた。江戸中期以降,各寺社がパンフレットとして出した一枚物ないし数葉の薄い刷り物を特に〈略縁起〉と呼ぶ。→縁起縁起絵

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世界大百科事典(旧版)内の寺社縁起の言及

【縁起】より

… 縁起説の日本受容については三つの側面からとらえる必要がある。第1は仏教の根本思想である縁起説をどう受けとめたかという教論の立場であり,第2は神社仏閣や経典などの創立由来を説いた寺社縁起の類であり,第3は民間に受容されて〈縁起がいい〉〈縁起をかつぐ〉〈縁起物〉などとよばれる民俗語彙や信仰習俗を創成するにいたった事情である。 このうち第2の寺社縁起が重要といえよう。…

※「寺社縁起」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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