対人恐怖(読み)たいじんきょうふ(その他表記)anthropophobia

日本大百科全書(ニッポニカ) 「対人恐怖」の意味・わかりやすい解説

対人恐怖
たいじんきょうふ

青年期、とくに中学から高校にかけて多くみられる神経症一種で、森田療法の適応とされる。人に会うと極度の不安と精神的緊張が生じ、そのために軽蔑(けいべつ)されはしないか、嫌がられはしまいか、他人不快感を与えるのではないかなどと悩み、対人関係を避けようとするもので、日本人に多くみられる。恐怖症に含まれる。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「対人恐怖」の意味・わかりやすい解説

対人恐怖
たいじんきょうふ
anthropophobia

青年期に多い神経症。一般的な対人神経症では,対人場面で緊張し,話ができなくなるといった程度であるが,ひどくなると赤面恐怖視線恐怖 (または正視恐怖) ,発展すると醜形恐怖,体臭恐怖自己臭まで含まれる。自分が人にどう見られているか,ということが問題になるが,それが「自分の視線が他人を不快にする」「醜い容姿が不快にする」「自分の体から臭いにおいがするので周囲が迷惑する」といった,加害者意識に発展する。深刻化すると,患者が確信し訂正不能な自我障害になるが,人格が荒廃することはなく,日常生活は何とか送っている。

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