日本歴史地名大系 「小佐々町」の解説 小佐々町こさざちよう 長崎県:北松浦郡小佐々町面積:二九・九二平方キロ北松浦半島のほぼ南西部に位置する。佐世保(させぼ)市の北西にあたり、北は鹿町(しかまち)町、東は佐々(さざ)町と接する。西方に平戸島があるが、町域の海岸部は前(まえ)島・浅(あさ)島・野(の)島・永(え)の島・上皆(かみみな)島・下小鷹(しもこたか)島といった北九十九(きたくじゆうく)島の島々が続き、また神崎(こうざき)(九州島の最西端)などの岬や小半島が発達して矢岳(やだけ)・楠泊(くすどまり)・小佐々浦・臼(うす)ノ浦・佐々浦などの入江に恵まれ、西海(さいかい)国立公園のうちとなっている。町域の北部に金比羅(こんぴら)岳(三四七・四メートル)・大観(だいかん)山(三七三・七メートル)、北西部に冷水(ひやみず)岳(三〇三メートル)などの山嶺があり、南流して小佐々浦に注ぐ小佐々川のほかに、竹田(たけだ)川・上矢岳(かみやだけ)川などの小河川がある。これら河川の流域の平坦地は狭小で、全体に山がちな地勢となっている。海岸部を主要地方道の佐々―鹿町―江迎(えむかえ)線が通るほか、県道の田原(たばる)―加勢(かせ)線などがある。南東部の小坂(こさか)にある大悲観(だいひかん)岩陰遺跡では縄文時代早期から弥生時代中期にかけての土器・石器・骨角器などが出土、また漁労にかかわる分銅形石錘が注目される。西部の神崎鼻にある古田(ふるた)遺跡では南九州との交流がうかがえる弥生土器とともに朝鮮半島系の無文土器・瓦質土器が出ているほか、畿内の布留式土器の影響を強く受けた四世紀後半から五世紀前半の古式土師器がみられ、海を渡って広く通交していたことを示している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by