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小咄 こばなし

百科事典マイペディアの解説

小咄【こばなし】

小噺,小話とも書く。江戸初期に笑話を集大成した《醒睡笑(せいすいしょう)》が出てから,笑話は軽口(かるくち),落し噺(おとしばなし)などと呼ばれて一般に愛好されていたが,明治中期以後,長い一席の落語に対して,〈まくら〉の笑話や,短い独立した笑話をこう呼ぶようになった。
→関連項目笑い話

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世界大百科事典 第2版の解説

こばなし【小咄】

小噺,小話とも書く。短い話の意もあるが,普通は,笑わせる目的のちょっとした話をさし,落語の〈まくら〉などに使われる笑話(笑い話)をいう。この種の笑話は,江戸時代には,軽口(かるくち),落し噺などと呼ばれていたが,明治中期以後,長い一席の落語に対して,まくらの笑話や,短時間で高座をおりる落語家の短い笑話をいうようになった。現在では,江戸小咄,フランス小などと,文字による笑話も小咄と称している。【興津 要】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

小咄
こばなし

小さな話、ちょっとした世間話などの短い話、あるいは、ひそひそ話、ないしょ話のような小声での話などもさすが、ほかに江戸時代の文学ジャンルの一つである噺本(はなしぼん)を前期と後期に分け、前期の上方(かみがた)中心の軽口咄に対し、後期江戸で行われた落語(おとしばなし)をさしてもいう。この呼称は、明治中期以降において、口演の落語の長い話に対して、落語のマクラやクスグリなどに使った短い話を小咄と称したことに始まるようである。江戸時代にはおとしばなし(落噺、落咄、落語、落話、笑府などの字をあてる)と一般にはよばれていた。この江戸小咄を収めた小咄本は1772年(明和9)の『鹿子餅(かのこもち)』を皮切りに安永(あんえい)期(1772~81)に大流行をみせる。従来の「……と云(い)うた」形式の説明体ののんびりとした軽口(かるくち)咄に比べ、話末を会話の言い切りで終わらせ、話もより短く簡潔な表現が特色であり、単なる滑稽譚(こっけいたん)ではなく、作者の鋭いうがちや見立てがその生命であり、軽妙洒脱(しゃだつ)な通(つう)の文学である。[岡 雅彦]
『武藤禎夫編『江戸小咄辞典』(1965・東京堂出版)』

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世界大百科事典内の小咄の言及

【鹿の子餅】より

…小本3巻。江戸時代《昨日は今日の物語》《醒睡笑》にはじまる小咄は,元禄時代の軽口(かるくち)本を通じて盛んであったが,元禄を過ぎると,やや下火になった。本書は,いわゆる田沼時代(安永・天明期)の初頭に出版された江戸の小咄集で,噺本復活の口火を切ったものである。…

【枕】より

…また,〈マクラ〉というほどの独立性がない場合,〈ツナギ〉ということもある。【平野 健次】(2)寄席用語としては,落語のはじめに客の気分をほぐし,噺(はなし)の雰囲気を出すために話す小咄(こばなし)や雑談の類をいう。たとえば,《粗忽(そこつ)長屋》《粗忽の使者》などのようなあわて者の落語を口演しようとする場合に,あわて者に関する小咄や,自分や仲間の粗忽珍談を話すことによって,聴衆を〈粗忽者の世界〉へとひきこんでしまうことなどが,その適例といえる。…

※「小咄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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