小庭(読み)コニワ

精選版 日本国語大辞典 「小庭」の意味・読み・例文・類語

こ‐にわ‥には【小庭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 寝殿と対の舎の間の壺庭(つぼにわ)
    1. [初出の実例]「山臥(やまぶし)の、ことごとしげなる入りきて、侍の立蔀(たてじとみ)の内の小庭に立ちけるを」(出典宇治拾遺物語(1221頃)一)
  3. 宮中清涼殿の東南隅の庭。小板敷の前にある庭。紫宸殿(ししんでん)の南庭を大庭というのに対する。
    1. [初出の実例]「殿上の小庭に畏(かしこま)ってぞ候ひける」(出典:平家物語(13C前)一)
  4. 小さい庭。狭い場所。こば。
    1. [初出の実例]「大庭の申楽には、御前を近くなすやうに心得べし。小庭などならば、御前を遠くなすべし」(出典:花鏡(1424)時節当感事)
  5. 馬術で、せまい練習場。馬上の太刀打(たちうち)を練習する狭い馬場。
  6. 農家の土間。秋収穫した稲の脱穀などをする場所。《 季語・秋 》

しょう‐ていセウ‥【小庭】

  1. 〘 名詞 〙 小さい庭。狭い庭。こにわ。
    1. [初出の実例]「種薬経春撲地生、蒙茸払暑小庭栄」(出典:田氏家集(892頃)下・薬)
    2. [その他の文献]〔韓偓‐疎雨詩〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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