小手指原(読み)こてさしはら

日本歴史地名大系 「小手指原」の解説

小手指原
こてさしはら

狭山丘陵の北に広がっていた原野。現所沢市北野きたのの北部から現狭山市・入間いるま市の南部辺りまでを含む。小手差原・籠手指原とも記される。北西から南東へと原を横切り狭山丘陵を越えて鎌倉街道の一本が通り、また東方を鎌倉街道上道の本道と目される道が通ることから、鎌倉末期から南北朝期にかけてしばしば合戦場となった。

元弘三年(一三三三)五月八日、上野国新田につた庄で挙兵した新田義貞軍勢は鎌倉を目指して鎌倉街道を南下、同月一一日小手指原で鎌倉幕府軍と激戦に及び、翌日幕府軍を破って分倍河原ぶばいがわら(現東京都府中市)へと進んだ(「太平記」巻一〇新田義貞謀叛事付天狗催越後勢事)。建武二年(一三三五)七月には諏訪頼重らに擁立され北条高時の遺子時行が挙兵、鎌倉攻略のため武蔵国へ入り女影おなかげ(現日高市)で足利直義軍と対戦(梅松論)、小手指原でも合戦があった(難太平記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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