小玉(読み)コダマ

デジタル大辞泉 「小玉」の意味・読み・例文・類語

こ‐だま【小玉】

小さい玉。
弥生時代から古墳時代にかけて、首飾り・腕飾りなどに用いた直径5、6ミリの丸い玉。多くガラス製。
小玉銀」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「小玉」の意味・読み・例文・類語

こ‐だま【小玉】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 小さい玉。
      1. [初出の実例]「欲大慶は、玉ぶちの小玉等皆放光云々」(出典古事談(1212‐15頃)五)
    2. 古代装身具の一つ。直径五、六ミリメートルで、多くガラス製。首飾り、耳飾り、手玉(腕飾り)などに用いた。
    3. こだまぎん(小玉銀)」の略。
      1. [初出の実例]「元祿以前は江戸表においても、小玉之銀通用有候処に」(出典:教令類纂‐初集・六五・正徳五年(1715)四月)
    4. (はまぐり)の大きなもの。〔物類称呼(1775)〕
  2. [ 2 ] ( 二代目を親玉と称したのに対していう ) 歌舞伎俳優、五代目市川団十郎の異称。〔随筆・俗耳鼓吹(1788)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小玉」の意味・わかりやすい解説

小玉
こだま

径2~5ミリメートル程度の小粒の玉。ほとんどガラス製で、おもに装身具として用いられた。ガラスの色は弥生(やよい)時代から古墳時代前期にかけてはほぼ水色に限られているが、古墳時代中期になると紺、黄、黄緑などが加わり、奈良時代以後はさらに種類が豊富になった。小玉だけで、あるいは他の玉とともに連ねて、耳、首、手、足などの飾りとしたことが古墳での出土状態や人物埴輪(はにわ)の表現からわかる。一つの古墳から数百、数千個という数で発見されることも少なくない。奈良時代には仏像の冠や瓔珞(ようらく)の飾りとして、または鎮壇具(ちんだんぐ)としても用いられた。縄文時代には石製のものがあり、弥生時代には貝製のものも知られている。

[望月幹夫]


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世界大百科事典(旧版)内の小玉の言及

【コタマガイ(小玉貝)】より

…商品名ではヒラハマグリ,テブといい,刺身,吸物や焼きハマグリにする。本来はハマグリの大きいのを逆に小玉といったが,コタマガイの名はこれからつけられた。北海道南部から九州の外洋に面した潮間帯より水深20mの砂底にすむ。…

【玉】より

…勾玉は湾曲した体のふくらんだ一端に偏して孔をあけたもの,管玉は細長い管状のもの,丸玉は球状のもの,棗玉は丸玉をやや長くした形のもの,平玉は扁球形で平らな面に平行に孔をあけたもの,算盤玉は二つの截頭円錐体を底面で接合した形のもの,切子玉は二つの截頭角錐体を底面で接合した形のものである。このほかに,小型の丸玉または算盤玉を小玉(こだま)と総称することが多い。江戸期の学者は,低い円壔(えんとう)形の滑石製の玉に臼玉(うすだま)の名をつけたが,滑石製小玉と呼べばよい。…

※「小玉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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