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鎮壇具 ちんだんぐ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鎮壇具
ちんだんぐ

寺院の建立に際し,地鎮のため堂塔の地下に埋められた品物。奈良時代では金,銀,瑠璃などの財宝を主体に,鏡,利器合子など多種多彩で,興福寺中金堂,東大寺金堂などから発見されたものが代表例。平安時代以降は,密教の作法に基づき,ほぼ五穀七宝の類に輪,けつなどの法具が配されたが,五宝,五薬,五穀の十五物,さらに五香を加えて二十物とした例もある。興福寺菩提院大御堂から発見された鎌倉時代の例では,金箔,稲穀を納めた銅瓶を中心に輪宝 10,けつ8,瓦器わん 11,土師器小皿 11が配されていた。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

鎮壇具

寺が堂塔を建てる際、土地の神を鎮めて災いを退けるため、建物の基壇仏像を安置する須弥壇(しゅみだん)の下に埋める品々。仏経典「陀羅尼集経(だらにじっきょう)」(653年漢語訳)には、七宝(金・銀・真珠サンゴ琥珀こはく〉・水晶・瑠璃〈るり〉=ガラス)、五穀(大麦・小麦・稲・小豆・ゴマ)を記している。

(2010-06-16 朝日新聞 朝刊 2社会)

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世界大百科事典 第2版の解説

ちんだんぐ【鎮壇具】

建物を建てる際,地の神をまつるために地下に数々の財宝を埋める。それらの埋納物を一般に鎮壇具と称する。このまつりは仏教だけで行われたのではなく,神祇陰陽道,道教によっても行われたが,発見される鎮壇具の多くは,仏教による供養に際して埋められたものである。発掘調査で出土した最古の例は飛鳥の川原寺塔跡出土品である。ここでは掘込地形(じぎよう)によって基壇を築く過程で,無文銀銭や金銅円板などを埋納している。

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世界大百科事典内の鎮壇具の言及

【建築儀礼】より

…古代の伊勢神宮の造営では,山口祭(やまぐちまつり)(杣山(そまやま)の入口でその神をまつる儀式),木本祭(きのもとまつり)(正殿の忌柱を切るときの祭り),鎮地祭(ちんじさい)などが行われた。古代寺院の造営でも,基礎工事では鎮壇具を地中に埋めて安全を祈り,完成のときには造立供養(ぞうりゆうくよう)が行われた。平安時代以降の建築工事では,礎(いしずえ)(礎石を据えるとき),手斧始(ちようなはじめ)(事始(ことはじめ),木作始(きづくりはじめ)とも呼び,材木加工の開始),立柱(りつちゆう)・柱立(はしらだて)(柱を立てるとき),上棟(じようとう)・棟上(むねあげ)(棟木をのせるとき)が主要な儀式で,日時をあらかじめ陰陽師が卜占し,当日は建築工匠と工事関係者が工事場に集まって儀式を行った。…

※「鎮壇具」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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