日本歴史地名大系 「小畑川」の解説 小畑川おばたがわ 京都府:長岡京市小畑川老(おい)ノ坂(さか)(現京都市西京区)の旧峠首塚(くびづか)付近に源を発し、東南流して沓掛(くつかけ)・塚原(つかはら)・上里(かみざと)(現西京区)、井(い)ノ内(うち)・今里(いまざと)と上植野(かみうえの)(現向日市)の境界を流れ、ここで方向を南に転じて馬場(ばば)・古市(ふるいち)・勝竜寺(しようりゆうじ)を経て下植野(現乙訓郡大山崎町)で桂(かつら)川に合流する。全長一五キロ。一名乙訓(おとくに)川、今里・馬場・古市などでは長瀬(ながせ)川ともいう(山城名跡巡行志)。長岡京時代には、上植野南方から扇状地を東南方に流れていたことが、京域の発掘調査で推定されている。延暦一一年(七九二)六月二二日には「雷雨、潦水滂沱、式部省南門為之倒仆」と「日本紀略」にみえる。 小畑川おばたがわ 京都市:西京区大原野小畑川全長一五キロ、老(おい)ノ坂(さか)の旧峠首塚南方に源を発し、沓掛(くつかけ)・塚原(現西京区)、現向日(むこう)市向日町を経て現伏見区淀大下津(よどおおしもづ)町南方で桂川に注ぐ。流域は大原野(おおはらの)一帯に及び、支流に善峰(よしみね)川がある。中世以前では「今昔物語集」巻二七「左京ノ属邦利延、迷神(まどはしがみ)ニ値ヘル語」に「長岳ノ辺ヲ過テ乙訓(おとくに)ノ川ノ辺ニ行ク」とある乙訓川がそれであろう。近世では「山城名勝志」に苧畑川、「聖蹟図志」(嘉永七年刊)に苧波多(おはた)川と記している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by