小豆島庄(読み)しようずしまのしよう

日本歴史地名大系 「小豆島庄」の解説

小豆島庄
しようずしまのしよう

建長二年(一二五〇)一一月日の九条道家初度惣処分状(九条家文書)に初めてみえ以後、南北朝時代初頭まで九条家領に属した。庄名については、永仁五年(一二九七)八月日の御所大番役定書案(同文書)に「せうつしまの庄」とみえる。後述のように、当庄の起源鳥羽院政期までさかのぼると推定される。同じ頃小豆島内には肥土ひと(現土庄町)が成立しているから、当庄は同島の全部を占めていたわけではなく、一部の地域を庄域としたと考えられるが、比定地は不明というほかはない。前掲惣処分状で末娘の四条天皇尚侍子に邸宅や家領の一部および「別当三位譲進庄々」四庄を譲与したが、そのなかに「備後国小豆島」が含まれている。子への譲与は一期分としてであったが、別当三位領の処分については子の意志に任せられている。別当三位は道家の祖父兼実の代に九条家の執行家司であった葉室宗頼の妻頼子である。頼子は鳥羽院の近臣藤原惟方の娘で従三位に叙せられ、別当三位と号したという(尊卑分脈)。文治三年(一一八七)一〇月二三日、前年二月に八条院の養子となった兼実の子良輔の真菜の儀が行われた際にはその乳母四条局として名がみえ、建久六年(一一九五)一〇月七日の後鳥羽天皇第一皇女の昇子内親王御五十日の儀に際してはその乳母となっている(玉葉)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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