小野原庄(読み)おのばらのしよう

日本歴史地名大系 「小野原庄」の解説

小野原庄
おのばらのしよう

平安期からみえる摂津住吉神社領庄園。東条とうじよう川上流の山間で「篠山封疆志」「篠山領地志」は小野原の範囲を小野原・立杭たちくい市原いちはら木津こつ本庄ほんじよう黒石くろいしの六ヵ村としており、これが中世の小野原庄域とすれば旧今田町全域に相当する。平安前中期頃の作成と推定される「住吉大社神代記」によれば、住吉社は播磨賀茂かも椅鹿はしか山に九万八千余町に及ぶ広大な神領を有していたことになるが、その四至に従えば丹波国に属する小野原庄域も含まれる。年月日未詳の住吉神領年紀(続左丞抄)にも「小野原」はみえている。大同元年(八〇六)住吉社に寄進された神封二三九戸に丹波国は含まれており(新抄格勅符抄)、このような関係から播磨・丹波国境の小野原が住吉社領庄園になったと思われ、現在も小野原・立杭・木津・市原・今田・黒石にはそれぞれ産土神として住吉神社が祀られている。天喜三年(一〇五五)某月二八日の丹波国後河庄司田堵等解(東大寺文書)には「多紀郡西県住吉御領小野原御庄」とあり、国役が免除されていた。なお同年代と推定される年月日未詳の丹波国庄園注文(同文書)により東大寺領小野原庄が存在し、住吉社庄と相論しており、また同じ地域に東大寺領櫟原いちはら庄も存在していたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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