精選版 日本国語大辞典 「小隠」の意味・読み・例文・類語 しょう‐いんセウ‥【小隠】 〘 名詞 〙 未熟な隠者。十分には悟り得ない隠者。悟りの道にはいっても俗事を離脱できない隠者。⇔大隠(たいいん)。[初出の実例]「有レ寺安禅坐、無レ山小隠行」(出典:菅家文草(900頃)四・感秋)「いま仏祖の大道を行持せんには、大隠小隠を論ずることなく」(出典:正法眼蔵(1231‐53)行持)[その他の文献]〔庾信‐奉和永豊殿下言志詩〕 こ‐がくれ【小隠】 〘 名詞 〙 ( 「こ」は接頭語 )① 少しのあいだ隠れていること。[初出の実例]「忙がしい身の上だから奥州へ小隠れをして居た所が」(出典:塩原多助一代記(1885)〈三遊亭円朝〉一五)② 歌舞伎脚本で用いる語。観客の見える所で演技していた役者が、舞台上から姿を消すこと。舞台のかげにひっこむこと。[初出の実例]「池の中より池淵兵内出る。鷲尾三郎是にて小隠れする」(出典:歌舞伎・御摂勧進帳(1773)三立) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例