尻間御嶽(読み)ししまうたき

日本歴史地名大系 「尻間御嶽」の解説

尻間御嶽
ししまうたき

[現在地名]平良市西里

官公庁舎の並ぶ市街地、旧沖縄県宮古支庁の裏手にある。方音ではッシマとも。約六〇平方メートルの敷地をコンクリートブロックで低く囲い、入口から向かって奥の中央部にイベ香炉が置かれ、神木らしきアコウの木が生えている。祭神雍正旧記に「男神、ちやこむ兼大世主豊見親」とある。昔下里すんだてい村のスミヤに住んでいたコイトノという男は神に願ってようやく子供のマンナフをもうけることができた。マンナフが七歳のとき母親は死んでしまった。継母は心悪い人で、マンナフを亡き者にしようと尻間山の深い穴に投げ落とした。幸いにもマンナフははい掛かっていた葛のお陰で底までは落ちず、七日七夜の後、神に救い出され、天上へ上ったが、再び地上へ降り立つことになった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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