尾上車山古墳(読み)おのうえくるまやまこふん

日本歴史地名大系 「尾上車山古墳」の解説

尾上車山古墳
おのうえくるまやまこふん

[現在地名]岡山市尾上

吉備の中山として知られた独立丘陵の南東端に位置した古墳時代初期の大型前方後円墳で、国指定史跡。奈良時代以降に開墾される地域を臨む地にあり、同地は古墳の築造された時代には、海浜の湿地帯海面が広がっていたものと考えられている地帯に突き出した岬の尾根頂部で、典型的な臨海型の立地を示している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「尾上車山古墳」の解説

おのえくるまやまこふん【尾上車山古墳】


岡山県岡山市北区尾上にある古墳。岡山市街地の西方、吉備中山丘陵の東南尾根先端部に位置する。「ぎりぎり山古墳」とも呼ばれている。ぎりぎり山古墳の名前の由来は、築造された当時は山裾まで海が迫っていたことによる。内海に面した大型前方後円墳で、全長約135m。前方部は細長く平坦で、3段築成とみられる。墳丘上から、壺形埴輪(はにわ)片が出土し、墳丘形態や埴輪から、築造は古墳時代前期前半(4世紀中ごろ)と推定される。浦間茶臼山古墳と並ぶ初期の大型古墳の代表的なもので、古代吉備地方の海路の拠点を考えるうえでも貴重とされる。1972年(昭和47)に国の史跡に指定された。約1.9km離れたところに吉備津(きびつ)神社がある。JR山陽新幹線ほか岡山駅から岡電バス「尾上南」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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