尾野神社
おのじんじや
[現在地名]桑名市東方
東方の丘陵地である尾野山の東北端の麓にある。旧県社。「延喜式」神名帳桑名郡一五座のうちに社名がみえる。例祭日一〇月一五日。この付近は古くは町屋川と揖斐川が伊勢湾に注ぐ河口で、美濃・尾張への往還道が通っており、当社付近が渡船場となっていたと伝える。境内に舟繋松と称する松があり、当社を舟着大明神ともよんでいる。祭神については異説が多く、素盞嗚尊(度会延経「神名帳考証」)あるいは衝立舟戸神(桑名志)と伝えられるが、現在は天押帯日子命。背後の小高い丘は「み霊さま」とよばれ、前方後円墳の形をとどめていたが、現在は円墳部のみで、丘上の松の大樹に玉垣がめぐらされている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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